ひとりで会社をやっていると、「記録を残す」が一番後回しになります。日報を書こう、気づきをメモしよう。何度も決めては、三日で止まる。書くこと自体が、もうひとつの仕事になってしまうからです。
先週の土曜日、朝9時前。パソコンの前ではない場所で、スマホのNotionの録音機能を立ち上げて、思いついたことをそのまま話してみました。台本なし、言い直しなし。途中で話が脱線しても、そのまま。「これがちゃんと記録になるのか」という実験です。
きれいに話そうとしない、と決めた
やってみて最初に分かったのは、「うまく話そう」と思った瞬間に続かなくなる、ということです。文章を書くのが続かなかったのと同じ理由です。
だから最初にルールをひとつだけ決めました。整えるのはAIの仕事。自分は思いついた順に話すだけ。言いよどみも、「どうしようかね、これは」みたいな独り言も、全部そのまま録る。きれいな記録を作ろうとするのではなく、素材を放り込むだけにする。
雑に話しても、残るものはちゃんと残った
数分話しただけの雑なメモでしたが、終わってNotionを見ると、自動の文字起こしと一緒に、要点の整理とやることリストまで残っていました。
- この日の状況と、午前中の段取り
- 「今後は日常の文脈を音声でためていく」という方針のメモ
- 仕組みへの改善依頼(自分の声だけを抽出して、周りの音は文字起こしから外したい)
おもしろいのは、改善依頼まで「話しただけ」で残っていたことです。作業の指示書を書いたわけではなく、録音の中で「あとでこうしてほしい」と口にしただけ。それが箇条書きのタスクになっていました。
その間に、AIは別の仕事を進めていた
録音のあと、AI(社内ではAI社員と呼んでいます)に頼んでいた仕事の進み具合を見に行きました。すると、依頼していた別プロジェクトの設計がひととおり形になっていました。私が席を外している間も、仕事は進んでいたわけです。
一方で、以前から試している別の自動化は、動いているのかどうか判断がつきませんでした。ここで無理に「動いているはず」と結論を出さず、「分からないので様子見」とだけ記録してその場を離れました。分からないものを分からないまま残せるのも、記録の入り口が軽いおかげです。白黒つけないと書けない日報なら、たぶん書いていません。
「記録の入り口」を下げると、続く
この土曜日の実験から持ち帰ったことは、シンプルです。
- 続かないのは意志の問題ではなく、入り口が重すぎるから
- 入り口を「話すだけ」まで下げると、記録は勝手にたまる
- 整える・分類する・タスク化するのはAIに任せられる
- ただし「何を任せて、何を自分で判断するか」だけは人が握る
これは発信でも社内の記録でも同じ構造だと思っています。完璧なものを作ろうとして止まるより、雑な素材が毎日たまるほうが、あとから効いてくる。私はこれから、日常の考えごとをこの方式でためて、この「振り返りノート」の素材にしていくつもりです。
NoBorderがなぜこの働き方にこだわるのかは、代表挨拶に書きました。平日の実務寄りの話はAI活用ノウハウで公開しています。