ヒアリングメモは、AIへそのまま渡すのではなく、事実・相手の言葉・未確認事項を分けてから提案書のたたき台にします。AIには構成と文章の下書きを任せ、価格、契約条件、実現可否、顧客への約束は人が確認して決めます。
商談のあと、メモを読み返しながら提案書を一から書くと、聞いた内容の整理と文章作成が混ざります。先に入力と完成条件を固定すれば、AIの出力を採用するかではなく、どこを直すかに確認時間を使えます。
完成形を先に決める
最初に、提案書のたたき台を次の6項目に固定します。
- 相談の背景
- 現在の課題
- 目指す状態
- 提案する進め方
- 役割分担と確認点
- 未確認事項と次の行動
この段階では金額や契約文を完成させません。ヒアリングで確認できた事実と、次に確かめることを読み手が区別できれば十分です。
ステップ1:メモを4種類に分ける
ヒアリングメモから、次の4種類を抜き出します。
| 分類 | 入れる内容 | 例 |
|---|---|---|
| 確認済みの事実 | 人数、頻度、現在の手順 | 問い合わせは週に約10件 |
| 相手の言葉 | 困りごと、優先順位、期待 | 返信が夕方以降に残る |
| こちらの仮説 | 改善候補、原因の見立て | 分類と下書きを分けられる可能性 |
| 未確認事項 | 次回までに確かめること | 返信の承認者と期限 |
事実と仮説を同じ文章にしないことが重要です。AIが自然な文章に整えるほど、未確認の内容も確定事項のように見えます。分類名を残したまま入力してください。
ステップ2:秘密情報を除いた入力を作る
顧客名、個人名、メールアドレス、契約書の全文など、提案の構成に不要な情報は除きます。名前は「A社」「担当者」、商品は必要に応じて一般名へ置き換えます。利用するAIの契約と設定が社内ルールに合うことを確認できていない場合は、公開情報かダミー情報だけで試します。
入力は次の形にそろえます。
- 相手
- 業種、規模、今回の相談目的
- 確認済みの事実
- 現在の手順、頻度、使っている道具
- 相手の言葉
- 困りごと、優先順位、避けたいこと
- こちらの仮説
- 提案候補。ただし未確定と明記
- 未確認事項
- 次回質問する内容
- 完成条件
- 6項目構成、断定しない、金額を作らない
ステップ3:AIへたたき台を依頼する
次の依頼文をコピーし、角括弧の中だけ差し替えます。
以下のヒアリング記録から、提案書のたたき台を作ってください。構成は「相談の背景/現在の課題/目指す状態/提案する進め方/役割分担と確認点/未確認事項と次の行動」です。確認済みの事実と仮説を混ぜず、仮説には「案」「要確認」と付けてください。入力にない数値、実績、顧客の発言、価格、期限、契約条件を補わないでください。不足は推測せず質問として列挙してください。入力:[4分類したメモ]
一度で完成させようとせず、最初の出力は構成確認に使います。見出しごとに事実が正しいかを確認してから、文の長さや言い回しを整えます。
ステップ4:人が確認する7項目
- 顧客の発言が、実際の言葉とずれていない
- 事実とこちらの仮説が分かれている
- 入力にない数値や実績を足していない
- 実現できる範囲と担当が明確
- 価格、期限、契約条件をAIが決めていない
- 秘密情報や不要な個人情報が残っていない
- 未確認事項と次の行動が読み手に分かる
提案書を顧客へ送る操作は自動化しません。担当者が原文のメモと照合し、必要な社内承認を受けたあとに送信します。
AIに任せない範囲
価格の決定、値引き、納期の確約、契約条項、法的判断、実績の表現、顧客への最終送信は人が行います。AIが作った文章が自然でも、提供できない内容を約束すれば手戻りになります。特に「必ず」「完全に」「何時間減る」といった保証に見える表現は、根拠がない限り削除します。
3回測るための記録表
導入前後で同じ範囲を比べます。AIの処理時間ではなく、メモ整理、指示、確認、修正まで含む本人の時間を記録します。
| 回 | 従来の時間 | AI使用時の本人時間 | 修正回数 | 見つかった誤り |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 分 | 分 | 回 | |
| 2 | 分 | 分 | 回 | |
| 3 | 分 | 分 | 回 |
時間が減っても、事実誤認や修正が増えた場合は成功としません。入力の分類、完成条件、人の確認表のどこを直すかを記録し、次回の材料として使い回します。
まとめ:AIは整理と下書き、人は約束を決める
提案書づくりを軽くする要点は、文章を自動生成することではありません。ヒアリングメモを4種類に分け、完成形を6項目に固定し、価格や契約などの判断を人へ残すことです。まず3件で時間と修正回数を測り、同じ型を続けられるか確認してください。
会議後の情報整理から始める場合は、会議メモから議事録と担当タスクを作る方法も使えます。顧客へ送る文章の確認工程は、問い合わせ返信をAIで下書きする安全な型で確認できます。
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