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起業初日から、東大首席クラスの新入社員が入ってきた|元教員がAIで開発・デザイン・自動化までやった記録

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「起業初日から『新入社員』がいた」と書かれたNoBorderブランドのダークネイビーのアイキャッチ

2026年6月24日に、NoBorder株式会社を設立しました。和歌山県橋本市にある、社員が私ひとりの会社です。ただ実感としては、初日から二人でした。もう一人は人間ではなく、AIです。

大げさに聞こえるかもしれません。ただ、この一か月で実際にやってきたことを並べると、私ひとりでは着手すらできなかった仕事ばかりです。会社サイトを丸ごと作り直し、AI導入診断ツールを開発し、記事に載せる画像を毎日作り、朝の定型作業を自動で動かしています。私は元教員で、ITが得意だったわけではありません。

この記事はノウハウというより記録です。AIを「便利な道具」ではなく「入社してきた新入社員」として扱うと何が起きるのか、うまくいったことと失敗したことを、そのまま書きます。

私は、開発もデザインもできない側の人間でした

最初の仕事は教員でした。新卒で特別支援学校に入り、保健体育を1年間教えました。一度そこを離れてオーストラリアへ行き、2年間ボランティアをしています。帰国してからもう一度、特別支援学校で1年間教員をしました。ただ、その2度目の在職中に体調を崩して退職し、そこから個人事業主になりました。以降はShopifyを使ったネットショップの運営に5年間関わっています。

その5年間、私の役割はほとんど「進行を管理する側」でした。何を作るかを決めて、作れる人にお願いして、期限と費用を管理する。サイトの見た目を直したいときも、機能を足したいときも、自分の手では一行も書けません。デザインも同じで、頭の中にある形を自分で画面に出せませんでした。これは長いあいだ、私のコンプレックスでした。

だから起業するとき、いちばん現実的な不安はここでした。ひとりの会社で、開発とデザインを外に出し続けたら、費用も時間も足りません。

最初に任せたのは、自分ではどうにもならなかった開発

会社のサイトを丸ごと作り直した

最初にやったのは、コーポレートサイトの作り直しです。いま公開しているページ数は17。設計を決めて、AIに書かせて、動かして、直す。この往復を繰り返しました。

特に効いたのは、作って終わりにしなかったことです。公開したあとに文言を直したくなるのは分かっていたので、ページの文章を管理画面から編集できるようにしました。今は管理画面で文字を直して保存すると、20秒ほどで本番のサイトに反映されます。私が触るのは文章だけで、コードには戻りません。

ここで一つ、はっきり書いておきます。作る過程で、私が理解できていない部分はたくさんありました。それでも進められたのは、「どこが動いていないか」を必ず自分で確認したからです。公開しているURLを一つずつ実際に開いて、表示されるかを見る。この確認だけは人がやります。

AI導入診断ツールを自分で作った

次に作ったのは、AI導入診断ツールです。いくつかの質問に答えると、その会社が最初にAIを使うべき業務と、次の一手が出てきます。

これも以前の私では作れませんでした。作ってから分かったのは、動かす費用が想像よりずっと安いことです。診断1回あたりの費用は約0.5円でした。最初は高い方のAIモデルを使うつもりでしたが、安いモデルと出力を並べて比べたところ、違いは文章の温度感くらいでした。ここは実際に両方動かして比べないと分からなかった部分です。

ちなみに、仕事とは関係のないところでも作っています。身内で遊ぶためのボードゲームを、合言葉つきのWebゲームにしました。ルールの矛盾が出ないように、自動で回るテストを121件書いてあります。5年間できなかったことができるようになった実感は、こういうところで一番強く来ました。

デザインも、外に出さずに済むようになった

デザインで最初にやったのは、自分の分身になるキャラクターを作ることでした。SNSや動画のアイコンに使っています。

そのうえで、毎日の記事に載せる画像を自分で作れるようにしました。ここには一つ工夫があります。画像に載せる日本語の文字を、AIに描かせないことです。AIに文字ごと描かせると誤字が混ざります。それも、ぱっと見では気づきにくい形で混ざります。

そこで、背景だけをAIに作らせて、その上にタイトル文字をプログラムで焼き込む形にしました。文字の位置も色も、こちらが決めたとおりに出ます。誤字は原理的に発生しません。

これは「AIにどこまでやらせるか」の分け方の話でもあります。得意なところまでやらせて、間違えると困るところは機械的に固定する。この線引きは、デザイン以外の仕事でも同じように使えます。

今は、私より先に仕事を始めている

いま日常的に動いている仕組みを挙げます。

  • 会社ブログの記事づくり。題材選び、下書き、画像、公開まで。公開した記事は、この記事で10本目です
  • noteとLinkedInの記事づくり。本文もシェア文も画像も自動で用意されます。ただし、投稿ボタンを押すのは私です
  • 朝の定型作業。SNSの返信準備、サイトの数字の確認、記事の下書きまで
  • Notionに置いたタスクを拾って進める仕組み

ここは正確に書きます。noteとLinkedInは「AIが投稿している」わけではありません。下書きと画像まではAIが作り、内容を読んで公開を判断するのは人間です。この一線は意図的に残しています。

それでも「首席」は、新入社員です

ここまで良い話が続いたので、失敗も同じだけ書きます。

41日間で100件投稿して、クリックは0回

SNSでの発信を、AIを使って続けたことがあります。41日間で100件投稿しました。結果は、リンクのクリックが0回でした。

投稿の質が悪かったというより、そもそも「押す理由」を用意していませんでした。AIは指示された作業を止まらずにやり続けます。方向が間違っていても、同じ速さで間違い続けます。ここは人が決めるべきところでした。

初日の自動起動は、失敗した

朝の定型作業を、毎朝9時に自動で始まるようにしました。設置した翌朝、時間どおりに起動はしました。ただ、中身の仕事を始める前につまずいて、14分後にエラーで終わっていました。

同じ日の午前に手で動かし直すと、最後まで進みました。ただしこちらも完全な無人ではありません。途中で一度、投稿先へのログインが必要になり、そこは私が操作しています。手順そのものは通ることが分かり、時間どおりに無人で立ち上げる部分が別に失敗していた、というところまでは切り分けられました。原因の特定は今も途中です。「動くはず」と「動いた」は違うという当たり前を、また一つ学びました。

社長がやることは、新入社員の育て方とほとんど同じ

一か月やってみて分かったのは、AIをうまく使えるかどうかはAIの性能ではなく、渡し方で決まるということです。優秀な新人が入ってきたときに社長がやることと、ほとんど同じでした。

  1. 仕事を1つだけ切り出して渡す。「うちの業務を改善して」は新人にも通じません。先週いちばん時間を取られた作業を1つ選んで、それだけを渡します
  2. 完成の条件を先に文字にする。何が入っていれば合格か、何を書いてはいけないかを、渡す前に決めます。ここを飛ばすと、出てきたものを毎回その場の感覚で直すことになります
  3. どこまで自分で決めてよいかの線を引く。私は、AIが自分で決めてよい範囲を3段階の文書にしました。作ったあとに過去の判断20件で答え合わせをしたところ、18件が私の判断と一致しました。合わなかった2件は、線の引き方を直す材料になりました
  4. 最初の3回は、必ず自分で確認する。時間が減っても間違いが増えたなら成功ではありません。かかった時間、直した回数、見つかった誤りを3回分だけ記録します
これまでの時間 AIを使ったときの本人の時間 直した回数 見つかった誤り
1
2
3

まとめ:優秀な新人が来ても、何をさせるかは社長が決める

元教員で、開発もデザインもできなかった人間が、一か月で会社サイトと診断ツールを作り、画像を作り、朝の仕事を自動で動かせるようになりました。私が急に賢くなったからではなく、渡し方を決めたからです。

同時に、100件投稿してクリック0回という失敗もしました。優秀な新入社員が入ってきても、何をさせるかを決めるのは社長の仕事です。そこだけは、まだ誰にも渡せません。

まずは、先週いちばん時間を取られた作業を1つ思い出すところから始めてみてください。どの業務から渡すか迷う場合は、下のチェックリストで探せます。

30項目から、AIに任せられる業務を探す

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